歴代記録表と年間予定表

昨日の更新で、2017年度の年間予定表と今までの歴代記録表を更新しました。
年間予定表
歴代記録表
歴代記録表は、JCSF設立当初から開催された大会の中で、公認申請があったもの及び公認されたもの、を集計したものです。大会には出ていても、公認申請をされていない記録については、集計されていません。過去に「自分はもっと良い記録を出していた」という選手の場合は、JCSFの大会での公認申請をしていない、という方もいらっしゃいますので、過去の成績表には名前があるのに、何故?、となるのは、このような理由からです。

世界記録?

このような表を作ると、海外の大会、特にWorld Record(世界記録)とも比較してみたくなるというものですが、その場合は少し見方が変わってきます。というのも、正確度種目には、世界記録という概念はないのです。そうです、100点を出すことが「当たり前」といっても過言ではないのです。実際、JCSFの記録表でも、1種フライ正確度種目では、7名のパーフェクトを排出し、他の3名も95点。全部当てること、がほぼ当たり前になってしまっているのです。また、世界記録とされるのは、複数の国からの出場選手がある国際大会での記録が対象で、仮に単独の国で開催された大会で、素晴らしい記録が出たとしても、世界記録とは認定されません。これは他の競技スポーツと同じです。

相手との闘いなのか自分との闘いなのか

他のスポーツと違って、キャスティングスポーツの場合は、当然大会に出場するからには、優勝・1位を目指す、という目的は存在します。しかし、多くの初心者の選手の皆さんは、イキナリ大会に出場して勝てる、ということを考えてはいないと思いますし、そのことはこの歴代記録表をみても、ある程度はご理解いただけると思います。では、勝てない試合にわざわざ出る必要はあるのか、ということにもなりますが、そこにはもう一つ、大きな超えなければならない壁があること、を忘れてはいけません。そうです「己との闘い」という一面があるということを。

自分自身という仮想の敵

例えばフライ片手投げ距離種目の練習をしていると、50mなんて簡単に飛んでしまう、記録なのです、実は。しかし、いつも簡単に飛んでいる・飛ばせている50mの飛距離が、いざ大会となると、なんでこんなに飛ばないんだ、50mは遠いんだ、と投てき台の上でくやしがることが多々あります。何故そんなことが起こるのか。それは練習の時との環境の差、が産みだす大いなる誤差、と考えてみると納得していただけると思うのです。
練習をするときは、どのようにしているか、まず思い出して下さい。ラインを出して、徐にフォルスキャストをはじめてはいませんか?自分に都合の良い、追い風になるような角度で投げる方向を決めてはいませんか?50mを楽々飛ばしたのは、練習をはじめてから何分後ですか?5分以上経過した後だったりしませんか? 一日練習を続けていれば、1投や2投は「Nice Cast」があってもおかしくはありません。いつもよりも3m飛んだキャスト、があっても不思議ではありません。しかし、その投てきをするまでに費やした時間は、どれほどだったでしょう? 試合にかけられる時間を越したりはしていませんでしたか?

一投一会

ディスタンス種目ではありませんが、正確度種目の練習の一例です。フライ正確度種目の練習の心構えについてのエピソードをひとつご紹介させていただきます。かつて、この種目の名手だった選手は、明け方まだ暗いうちから1人でフライ正確度種目用のコートを設営して、明るくなるのを待っていたそうです。そして、いざ明るくなってから、練習を始めた時に、最初の1ラウンドだけ、と決めていたそうです。自分自身を律するために、1ラウンドだけ、そこで100点を出せなかったのであれば、それは試合に勝てないのと同じだ、という気持ちで望まなければならないのだ、と。
もちろん、このようなことは、自分のスタイルがきっちりと身についていて、何もなければ100点が当たり前、のスキルが身についてからのことだとは思います。しかし、常にライバルとの鍔迫り合いをするようなマッチゲームとは違い、なかなか敵が見えにくいのが、このキャステイングというスポーツです。とすると、まず最初に相手にするのは『自分自身』であるべきでしょう。メンタルスポーツの一面がここにも見て取れます。
反面、自分自身を仮想敵とすることで、目標を定めやすくなる、というメリットがあることも忘れてはならない事実です。昨日の自分よりも5点でも1cmでもスコアを上げることができたら、それは自分が成長したことに他なりません。ある意味、目標を掲げやすいスポーツともいえるでしょう。
であるとするならば、目標とすべきスコアは、常に一定の条件で作られたもの、と考えておく必要があります。自分に都合のいいスコアだけを比べるのは、自分自身が悲しくなるだけでしかありません。
日々の練習で、昨日の自分よりも良いスコアを出すこと、もひとつの目標です。しかし、やはり勝負となると、ライバルよりも飛ばしたいし、いい色のメダルをとりたいと考えるのも当たり前のことです。JCSFでは年間15回程度のキャスティングスポーツ大会を、全国各地で開催しています。今回の更新では、まだ不確定要素は多々あるものの、ある程度の指針にもなるようなスケジュール表を公開しました。釣りが楽しくなるためのキャスティングスポーツの練習かもしれませんが、楽しさのより深みを体験する意味も含めて、スケジュール表にある大会予定日を目標に設定しつつ、2017年度キャスティング大会デビューを、ご検討されてみてはいかがでしょうか?

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