世界選手権会場に到着しました

プラハの街を一日観光して時差調整をした選手団一行は、止むことがない小雨が降りしきるなか、限られた時間の中でおみやげの買い物やATMでのお金の払い出しにと、大忙しでした。世界選手権会場に入る前の最近の恒例となっているのが、釣具屋めぐりです。現地のお店にしかない現地での釣りにあわせたグッズを見ると、この地でどのような釣りがなされているのか分かるというものです。プラハの街の釣り道具屋さんの品揃えは、やはりカープフィッシングでしょう。日本で流行りそうな兆しも見え隠れしているボイリーをつかったつりは盛んなようで、ほとんどのお店はカープ関連グッズが中心の品揃えでした。
というような観光気分もHlubokaに入ってからは一転します。いよいよ大会会場での練習が始まります。
今回の大会の開催国であるチェコは、ICSFのJosef事務局長の地元です。東京で開催されたワールドカップにも来ていただいたり、常日頃から密に連絡を取らせて頂いています。今回もプラハに到着した際は、空港までスタッフの方を手配して下さり、4人分のロッドが入った2m超のロッドケースを、大会会場まで運ぶサポートをしてくだいました。
我々よりも先に到着していたロッドとも無事に合流でき、公式練習に先駆けた練習が始まりました。
先乗りしていたチェコチームと軽く挨拶を交わし、肩慣らしにアキュラシーから始めつつ、7種9種の調整に入ります。チェコチームも同じようなことを考えていたようで、特に9種のリールの調整に余念がありません。
お互いの体があったまってきたところで、チェコチームから声がかかります。「一緒に投げて、距離の比べっこをしよう」と。
日本チームの加登選手は、9種で昨年の世界選手権の銀メダリストです。そして、実はチェコチームが使っているABU2500Cに乗せられているスプールのほとんどが、日本のAvail製のスプールです。我々の行動に注目も集まるというものです。
Karel、Jan、が飛ばす中、女子チームも合流です。Teleza、Kachaに加えて、懐かしい顔も。久しぶりにJanaがチームに合流していました。しかも1歳になる子連れで参加です! そんな女子チームは、流石に力を入れていない種目ということもあり、半分練習しながらの調整だったようですが、男子チームは飛ばしまくります。バックラッシュを恐れずに日本風にいえば「胴調子の竿」をブン曲げてスプールを唸らします。お互いにチラリチラリと牽制しながら、そして熱く語り合いながらの練習は、自ずと気合が入るというもの。この体験を繋げ繋げて、今の日本のキャスティングスキルが上がってきたのです。「これぞ、世界選手権」ならではのものなのです。
強面のJosef Luxa率いるチェコチームに、最初に食い込んでいったのは、今回留守番の小田切選手。彼がJana率いる女子チームと仲良くなってから、距離が一気に縮まりました。最近出産したBora選手も、前回のチェコ大会で一緒にHluboka城ツアーに行ったTelezaだけでなく、今では男子チームともこういう練習をする間柄になりました。お互いの信頼関係は、より一層強固なものとなっていることを実感しています。
とはいえ、明日からはお互いの成績を競い合うライバルです。それぞれが今年開催された自国の大会で、今年開催された国際大会で、そして日頃の練習の成果を持ち寄って、互いが持てる力を出し切って、これぞ世界選手権!というレベルの高い試合が開催されることでしょう。
さて、これから公式練習に出発です。会場はWifiも飛んでいるので、余裕があったらまた更新いたします。

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