競技用Fly Line
T38とT120
キャスティングスポーツ競技をされている皆さんは、すでにご存知の競技専用Fly Line「T38」と「T120」。現行のこれらのLineは、UKのエアフロ社で作られています。ICSFからオーダー品なので、エアフロ社のカタログには載っていません。これらのラインはICSFを通じて購入することになりますが、皆さんも御存知の通り日本では唯一、JCSFだけが在庫を切らすことなく、競技者の方々に供給を続けています。
さて、他にも競技で使うFly Lineには種類がありますので、ご紹介させていただきます。まずは「Trout Accuracy」と「Trout Distance」で使う3M社のマスタリーエキスパートディスタンス#5があります。こちらは市販されているものを、一切改造することなくそのまま使う、とされています。なので、すでにお使いの方も多いかと思われますので、ここでは割愛させていただきます。そして次の種目のラインが、皆さん、かなり、気になっているのではないでしょうか。
「Sea Trout Distance」
シートラウト、日本にはいない魚です。アメマス、みたいなイメージでしょうか。
いわゆる高番手のシングルハンドで、どれくらい飛ばせるか、を競う目的でカテゴライズされたクラスですが、27gというと相当重いラインになります。とはいえ、フローティングラインですので、思ったほどは投げにくくありません。最近ではラインスプライスの技術も向上していますので、皆さんいろいろと切った張ったの試行錯誤をされているようです。それもまた楽しみのひとつかと思うところです。
とはいえ、専用ラインってないの? ということも聞かれたりしますので、今回は2社から出ている3種類のラインをご紹介させていただきます。いずれも小さいメーカーです。
Barrio T27と、TSD15m&17.5m
いずれのラインも、シートラウト種目の規定にある27gの重量になっています。
Barrioは海外発送をしてくれることもあり、日本でも使っている人をたまに見かけます。都内で行われている練習会でも評判がいいようです。専用と言われるだけあって、スペック通りに作られています。
TSDは日本では馴染みがないかと思われますが、スウェーデンのショップのオリジナル品です。フライキャスティング世界選手権でも活躍しているTellisのお店です。フライキャスティング世界選手権でも好成績を残すTellisは、自分のショップでもついにラインを販売し始めました。きっと彼のノウハウが詰め込まれているのでしょう。15mと17.5mの2種類ありますが、17.5mのものは追い風用でループが残るようにデザインされているとのことです。まだパッケージに入ったままになっていることからわかるように、すみません、まだ投げてみていないことから、詳しいインプレッションは改めてご報告させていただきます。
このように、自作でラインを作らずとも、すでに3種類の専用ラインが出現しています。これだけでも迷ってしまいますし、自分でスプライスしながら作り始めたら、迷宮に入ることは間違いないでしょう。
ちなみにロッドですが、これは様々です。一番ヘビーなロッドを使っているは、GloomisのT34を使っている選手・エストニアのDmitliではないでしょうか。さすがにT38をも背負えるロッドですので、硬いかな、と思いもしますが、タイミングが合えばいいのかもしれません。他にはICSFルールフライ正確度種目で使えるようなロッドの中にはいいものがあるかもしれません。もちろん、湖や海で使うようなロッドで、10番以上のラインが背負えるものであれば、いい感じかもしれません。
後は参加するだけ?
必ずしも、ICSF種目のように、専用のフライラインを使う必要はありません。日本でもKenKubeから、シートラウトに使えそうなDistanceキャスティング用のラインが発売されていますし、フローティングラインであればどんなラインを使ってもいいので、いろいろなラインで試合に出場することもできます。とすると、残るは我々がそうやって作ったラインを使って出場できる大会を開催しないといけませんね。本場ヨーロッパでも必ずしも水の上だけに限るわけではない、ということが、Facebook等を見ていてもわかってきました。今年はこの種目の大会も、全国各地で開催したいものです。