フライキャスティング種目 Trout Accuracy
トラウトアキュラシーのルールは、ちょっとわかりにくいところがありますので、おさらいも含めて紹介していきます。
ロッドは275.5cm以下、フライラインはEXD#5指定
この種目でも使うラインは、3M社のマスタリーシリーズ・エキスパートディスタンス・コンペティション#5指定です。今回は15mまでの距離に置かれたターゲットを狙うので、#5~6前後の指定のあるロッドが適しています。ロッドの長さが275.5cm以下となっているのは、9fのロッドにある誤差を勘案しているところに起因しています。9fは274.3cm。このことは前述のトラウトディスタンスも同じです。実測してみると製品版でも誤差はあるものです。実際に自分が使っている9f / #10のロッドは、バットキャップをカットしています。
ターゲットの距離は8~15m
使うターゲットは4つ。これらが8mから15mまでの間の”任意の場所”にセットされています。任意の位置ですので、試合ごとに場所が変わります。ICSF種目のように、毎回同じメジャリングはできません。フォルスキャストの時にターンしたフライを目でおって距離を合わせるので、自ずとフォルスキャストの回数は増えてしまいます。また、他の種目ではティペットにはヤーンが結ばれますが、この種目だけは「競技用フライ」を使います。ターゲットのフレームに当たったことを音で判別できるから、ということです。投てき位置は1.2m✕1.2mに大きさに桟橋にテープでマーキングします。
狙う順番
ターゲット左から右に1-2-3-4とナンバリングされています。そのターゲットを1-2-3-4-1-2-3-4-1-2-3-4-1-2-3-4の順で狙います。合計16投。シュート前のフォルスキャストの回数に制限はありませんが、制限時間は5分間です。ほとんど休みなくフォルスキャストを続けるので、終わったときには腕がしびれています。フォルスキャスト中にフライやリーダー、ラインが水面に接触したときは、ファールになり、その投てきは0点になります。気持ちを切り替えて次のターゲットを狙います。実際の釣りのようにフォルスキャストでラインの長さを調整します。水面に浮かんでいる時にリトリーブしてラインを短くすることはできません。そのため、この種目で一番肝心なのは、リーダーレシピでしょう。フォルスキャストの時にターンオーバーしたフライが空中でホバリングして一瞬止められる、ようなリーダーができるまで、いろいろと試行錯誤してみる必要があります。
得点は、中央のリング内は5点、次のリングが3点、大きなリングが1点、それぞれ加点されます。満点は80点。スコアカードを見て「100点がいない」のは、それが理由です。同点の場合は、時間が短い選手が上位になります。ターゲットのフレームに当たった場合は、高い方の点数が加点されます。
ACAにあるリーダーレシピ
ACA(America Casting Association)のWebサイトは充実した内容となっていて、トップクラスの選手がつかっているリーダーレシピを公開しています。http://www.americancastingassoc.org/casting-gear/equipment/leader-formulas.html
ここにあるTrout FlyはACAルールですので、ICSF/JCSFルールとは微妙に違う所がありますが、参考させていただきつつ、オリジナルレシピを作り上げて下さい。
ターゲット入手法?
このようなターゲットは、市販されていません。北欧やアメリカでは、硬質プラスチックやアルミでできたターゲットを使っているようですが、輸入するのもコスト面を考えると現実的ではないため、日本で手に入る材料で作っています。このような材料で作っていますが、もっといい方法があるようでしたら教えてください。詳細なPDFファイルも用意してあります。flycastingtarget1
まずはやってみる
トラウトディスタンスは、フライラインを1本購入するだけで始められる種目ですが、この種目は専用ターゲットは作らなくてはいけない、水の上のコートを設営しなくてはいけない、と、少し敷居が高いことは事実です。しかし、そのようなこだわりを捨てて、フラフープを4つ用意して芝生の上で練習する、ことはすぐにでも始められます。なんならフラフープがなくても、空き缶でもペットボトルでもなんでもかまいません。8-15mの4つの距離を5分間で16回投げ続けることが、どれだけ次の自分の釣行に役立つかどうか、は、やってみないとわかりません。EXD#5をお持ちでなくても、まずは一度、やってみて下さい!