2011年ICSF世界選手権チェコ大会2種決勝
さすがにフライ種目の記事は多くの方にアクセスしていただけます。YouTubeからもう一本。
2011年2種決勝戦
この映像を選んだ一番の理由は、男子決勝で優勝したWlodekと2位のKarelが手前から2人並んでいて、その様子をベストの位置から撮影されているからです。
金メダリストWlodzimierz TARGOSZ
予選の記録は66.15m、決勝でも61.27mと、ひとりぶっちぎりで飛ばしていたWlodek。バットエンドにカウンターウェイトを仕込んで、重たいロッドを上から叩きつけるようにして振るスタイルは、ノルディックスタイルに近いものがあります。前後1.5mのプラットフォームの一番後ろに左足が来るようにスタンスをとり、フィニッシュの瞬間に強く蹴っても前に落ちないようにとの配慮です。6分13秒あたりから男子の決勝が始まり、一番左側で投げている選手です。
銀メダリストKarel KOBLIHA
赤いユニフォームを着て投げているのが、チェコのホープ、Karelです。この2011年頃から日本チームの面々とも仲良くなりはじめ、彼の6種の愛竿は日本の”K2”です。Karelのスタイルは、伝統的なチェコスタイルです。ポイントは右足の向き、投てき台右側面側につま先があります。そしてバックキャスト時の右手の位置が頭よりも低いことと、超ショートホールにあります。
6位 Jens NAGEL, 4位 Michael BRÖSCH
Karelの隣が、ドイツのJens NAGEL。「氏」が「なげる」です。(ザック・バランスキーはバスケの選手)シュートの直前ギリギリまでリストを開けておき、体と腕の加速で勢いがついたタイミングを逃さず捕まえて、リストダウン&ホールをはじめます。目の前だけで仕事をしているようにみえるのにも理由があります。投げた後に右足が高く上がるのは、ロッドを振る方向が水平気味が故のこと。その右隣もドイツの選手で、Michael BRÖSCH、ベテランです。昨日のアイキャッチ画像に使ったThomas Maire選手と同じスタイルです。シュート前のバックキャストからフォワードキャストに移る時、ロッドを持つ手の位置がチェコスタイルとノルディックスタイルの中間くらいのところにあります。
5位 Henry MITTEL, 7位 Patrik LEXA
USAのユニフォームは、アメリカのHenry。アメリカならばSteveのスタイルに近いのでは、と思われるかもしれませんが、元々はヨーロッパからアメリカに渡ったので、ヨーロッパ風のスタイルが残っています。4種スピニング正確度種目でも、ACAの大会では殆どが釣りと同じオーバーヘッドキャストですが、Henryはペンデュラムキャストで投げています。Jens達の投げ方に近いのが見て取れます。だんだん小さくなってしまいますが、その先がこの大会ではあまり振るわなかったチェコのPatrik。シュート時にグリップを持ち帰かえるのは右手の怪我が原因です。持ちかえる積極的な理由はありません。
8位 Goran OŽBOLT、3位 Jan LUXA
さらにその右、青いユニフォームは、クロアチアのGoran。チェコスタイルに似ているのは、クロアチアチームの道具の供給源がチェコやドイツからなので、練習などでも関連があるのかもしれません。一番遠くで投げているのは3位のJan LUXA。チェコチームのメンバーでありつつもLUXAファミリーは体を開かずに前を向いてロッドを曲げていくスタイルです。監督でありボスのJosefのスタイルがそうさせているのでしょう。
アイキャッチ画像に決勝の成績表を使っていますので、詳しい記録はそちらをご参照下さい。また、この時の大会記録表は、こちらからダウンロードできます。
このような参考になる動画がYouTubeで共有できるいい時代になりました。画像ファイルの整理のめどが付いたところで、手持ちの動画もまとめていきたいと思う所存です。