Tallinn 大会前々日

昨晩、ホテルに到着した瞬間に、今回の世界選手権は始まりました。
いや、主催者でもあるエストニアのAllanにとっては、とっくのとうに
始まっていたことだったはずだ。10時をすぎて買えなくなったビールを
求めてバーに行ってみたら、Allanは神妙な面持ちでKurtとThorgeirに
かこまれていた。どうやら進行の打合せをしているらしい。ひとしきり
挨拶をすませたところで、Josefも登場!確認作業にみな余念がなさそうだ。
のほほんとしていたのは、スロバキアチームの女子2名。ちゃっかり隣の
席で女子会を開いていた。2人ともいつもFacebookで見かける顔で、
久しぶりのような感じがしないのが不思議だ。
そういえばオリンピック期間中、卓球の福原愛選手が銀メダルをとったとき、
多くの日本人が、よかった、と思ったそのときの感想として、
「なんだか親戚の子供が大きくなったって感じ」と思ったようだが、
その気分と同じようなことかもしれない。
翌日の朝食の時間も先乗りしてきた各国の選手たちとの挨拶の場になった。
Helmut, Heinz, Steve, Jan, そして各地からの面々。再会を喜び合い、
そして我々が審判で来たことを知ると、みんな驚いていたものだ。
食事を終えると、みな行き先は大会会場。早乗りしてくる最大の目的は、
大会会場での練習。みんな、勝ちにきているが故、当たり前なのだろう。
練習用のコートがまだ設営されていないとなれば、遠投の練習をし、
コートが設営されればアキュラシー、と臨機応変に対応している。
今回の大会もドイツチームがコート設営などのバックヤードをサポート
している。設営の手際の良さ、設営の工夫などは、見習うべきところが
多く、いかに公平なコンディションを作るか、ということについては、
さすがに考え抜かれている。まだまだ学ぶべきことは多いと感じた。
午後になるとホテルの会議室で国際審判員講習が開かれた。UKの
ColinとAndy、ノルウェーのJanも受講していた。ここでもローカル
ルールと国際ルールの違いを改めて知ることになる。講習の内容は、
2001年のワールドゲームズの前にThorgeirが来日してくれた際のものと
ほぼ同じだった。しかし、12年の歳月を経て改めて受講してみると、
そのルールの解釈、審判の役割について、細かな部分で差異が生じて
いるように思えた。日本がすっかりガラパゴス化していたのだ、と改めて
気づかされた(解釈の幅の違いなので、日本ルールで世界選手権に出ても
問題はないのでご安心を。むしろ、得点は増える事になるかもしれないので
ご安心を。逆に今のまま海外の選手が日本に来たら驚かれるでしょうけども)。
夕方までみっちり講義を聴き、夕食までの少しの時間でホテルのすぐ近くの
旧市街や市場を見学。行く先々で練習からあがった面々とすれ違う。みんな
一仕事終えた後、旧市街の街並を楽しんでいるようだった。
コートビルダーのドイツチームの面々は、市場の店先に並んでいた現地の
釣り道具をしげしげと眺めていたり、イタリアのEdowardはホテルの前の
中央分離帯でSteveたちと話しているところを後ろから急襲したところ
一緒にビールを飲みにいくはめになり、旧市街をぶらぶらと。馬鹿話や
昔話を堪能し、店を出てからも笑いながら歩いてホテルに戻ろうとした
ところでスペインチームに遭遇。これ以上のラテンのノリにはついていけない、
と、EdowardをRafaelに押し付けて退散。ゆっくりご飯でも食べようと
ぶらぶらすると、あちらこちらですでにテーブルを囲んでいる選手たちに
出会う。チェコ、スロバキア、ドイツチームにはウィンクで挨拶。そう、
みんな外のテーブルで食事をしているのだ。
UK、USAは混合チームで、そこにノルウェーのThorgeirたちも混じってる。
ここに入ったら大変なことになっただろう。食事の後の帰り道でも
興に入った面々に呼び止められた。大きいジョッキが目の前にずらりと
ならんだAndyの写真をとって、すぐにFacebookにあげてみたら、そこから
またまたいろいろ始まって…。12時半にこの部屋をピンポンダッシュしたのは
誰だ!(向かいの部屋のThorgeirは見ていたらしい、ニヤニヤしてました)。

 

 

今回ここに来る前から、強く感じる何かがあった。そして昨日一日、みんなと
一緒にコートを設営し、学び、語らい、同じ時間を過ごしたところで、おぼろげ
ながら、こういうことなのかな、と思えた感覚があった。それは多分、
“一体感”なんだろうな、と思えてならない。
1994年に初めて参戦したときは、日本からの参加がしばらく途絶えた後
だったので、当然ながらお客さん扱いをされた。みんなにも物珍しさが
あったのだろう。ちやほやされていた記憶がある。それが今回はどうだろう?
みんな、ここにいることが当たり前のように、1年ぶりの再会を懐かしむ
かのように、普通に接してくれている。
なじむ、という言葉が適切なのか、当たり前、という言葉なのか…。
いずれにせよ、そんな感覚を強く感じている。
当然のことながら、我々は選手権に参加している。勝つことを目的に、
皆、互いの技を競い合っている。スポーツマンシップに則った戦いが、
これから数日の間、繰り返されるだろう。同じフィールドに立って、同じ
条件で、遠くエストニアに集まって、各種目を競い合う。
「イコールコンディション」
今回はいつもとは違う視点から、各国の選手たちの活躍ぶりを
このサイトにてレポートいたしますので、ご期待ください。
と、書き終えて朝ごはんを今、食べています。で、わかりました、
このモヤモヤを表現する適切な言葉が日本語にはあることに気づきました。
「同じ釜の飯を食う」って、大事なんだなと。

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