投稿:第10回JSCキャスティング競技会 in 下総を終えて

2014年8月3日に開催された、第10回JSCキャスティング競技会のレポートが届きました。
いぶし銀の技を見せる、真辺選手も、実はまだまだ熱く燃えているようです。

第10回JSCキャスティング競技会 in 下総を終えて

6月にJCSF第1回全日本選手権が開催された。
目標はズバリ、初代フライ総合チャンピオン。安定感の無かった第1種目の練習を集中的に積み重ね、前日練習では櫻井選手にジャッジングをしていただき100点を出して練習を終えた。自分なりには勝負できるレベルに仕上がっていると思えた。2種、6種でいつも通りできれば勝てる筈だった。
迎えた当日、第1種目の順番を待っていると緊張感が高まり、名前がコールされ投擲台にあがるころには膝の震えが止まらなくなっていた。
競技がスタートするときには手も震え、自分自身をまったくコントロールできない状態に陥っていた。
結果・・・・・75点。
この時点で全日本選手権が終わったと思った。
トップは100点は出なかったものの95点が3名。
第2種目、第6種目の4投で20mを挽回することは不可能だった。
 
 
第10回JSCキャスティング競技会 in 下総。
今度こそはと思っていた。
あえて第1種目の練習はタッチを確認する程度に抑えて、気持ちが入り込みすぎないようにしていた。選手権終了後、諸先輩方から練習のし過ぎだとのアドバイスをいただいていたからだ。
同じ失敗はしないようにしなくては・・・。
第1種目本番前には緊張しないようにほかの選手の競技は見ないようにしていた。後ろを向いて目を瞑り、自分の投擲に集中できるように努めてみた。
「この種目、100点を当たり前のように出すバケモノのような選手がいる。はなから勝てるはずはないのだから、付いていければいいんだ。1つくらいなら外してもOK。」と自分に言い聞かせていた。
結果、ドライラウンド2順目の5番を外してしまったものの95点で競技を終えることができた。
「上出来、上出来。これなら2種、6種で勝負出来る」
不安の残る種目で勝負のできる得点が出たことで、気持ちがかなり楽になった。
そして次は第2種種目、どう攻略するかと考えタックルの準備をしていた時だった。
「1種のプレーオフを行います。」とのコール。
なんとJSCの達人コンビ、加登選手と櫻井選手が揃って95点だというのだ。
運営サイドとして忙しく動き回っていたので、集中力に欠けてしまったのだろうか?
聞けばタイム差での順位は2番目。
プレーオフが行われれば100%順位が下がる訳で、いっそのことプレーオフを行わないでくれればと、「今日はさぁ、種目も多いしプレーオフは無くていいんじゃない?」と提案してみたが「絶対やります!」とキッパリ言われてしまった。
投擲の順番はジャンケンで、櫻井選手、自分、加登選手となった。櫻井選手はMr.パーフェクトと呼ばれるほどの的当ての名手で100点出しても勝てない相手なのだ。投擲を見ていても気が滅入るだけなので、タープの奥でじっと息を潜めていた。といっても櫻井選手は早打ち名人でもあるので1分ほどなのだが。
次は自分の番。
最高で100点、最低でも100点、それでも勝てない状況って何だろう。
開始前、リラックスするようにと深呼吸をし、スタートして放った1投目・・・アウト。
あはははっ  こんなもんですよ、あたしゃ!
これで緊張感がふっきれて残りをノーミスで打ちきれたが、1発外したら終わりのプレーオフで自分のメンタルの弱さを痛感させられる投擲だった。
加登選手の投擲はガッカリしているあいだに終わってしまったけれど、これで3位確定だろう。
「目標はフライ総合なのだから、残りのディスタンス種目を頑張らなくっちゃ!」と自分に言い聞かせていた、すると主審を務めてくれた小林選手から「櫻井選手95点、加登選手90点、タイム差で2位です。」とまさかご報告。
この二人に何があったのか?
 
次は第2種目フライ片手投げ距離、もともとこの種目がやりたくて始めたキャスティングトーナメントだ。
まずはコートの設営から。
運営サイドの方々は少しでも選手のみんなによい記録を出してもらおうとコートの向きを考えてくれる訳だけど、この日は風向きが安定せずコートの設営に悩まれていた。でもこれは屋外競技なので風向きが悪くてもしかたのないこと、あたえられた条件で精いっぱいのパフォーマンスを発揮できるように努力するのが選手の努めなのだから。
自分の番が回ってきたときは左斜め後方からの風で、左利きの自分にとってはちょっと辛い条件となってしまった。
バックキャストのラインが風で押されて内側に入り込んでしまうためにシュートのタイミングが掴めないし、無理やりシュートしてもラインが自分に当たってしまう。
それでもなんとかラインをよけながらシュートしてみたが、結果は47m台という厳しい展開。
2種終了時点で、52m台と順調に記録を伸ばし総合トップに立った櫻井選手には7ポイント近くの得点差をつけられてしまった。
総合最後の種目は第6種目フライ両手投げ距離、3種目の中で一番ポイントを稼げる種目だ。
投擲順は一番。
自分の記録が次からの選手のクリアする目標になってくる。
ここで何とかポイントを伸ばさなくてはと思いながらも、なぜだか冷静な気持ちで投擲台に上がることができた。
まずは1投目、7分の力でループの形を作ることだけに集中して投げてみた。
2投目はもう少し角度を上げて、8分の力で投げた。
ここまでは思った展開で来ている、ここからが勝負だ。
3投目からは力をセーブせず思い切り投げ込んだ。
そして5投目だったと思う。
思った高さに理想のループを出すことが出来たと思ったら、計測してくれる審判がラインを避け、後ずさりをした。
結果これが74m台で最長となり、次長も何とか70mを超えることが出来た。
この種目では、今、自分の出来うるパフォーマンスを発揮できたように思う。
後は続く選手がどれだけの記録を出してくるかだ。後半では副審をやらせていただいたが、自分の力を出し切れたからなのか、思いのほか人の記録が気にならず冷静に副審を務めることが出来た。
表彰式。
いつも1種目終わるたびに結果を張り出してくれているのだが、今回は結果が妙に気にならず、第1種目以外は自分の順位を知らずに表彰式を迎えてしまった。
第1種目は2位、第2種目では入賞は出来ず、第6種目では大島選手に抜かれはしたものの2位入賞だった。
そしてフライ総合の発表。
3位で櫻井選手が呼ばれ、2位に小林選手、そして最後に1位の発表で自分の名前がコールされた。
「よしっ!」と思わず手を突き上げていた。
選手権では悔しい思いをしたが、今回はその悔しさをバネに頑張ってきたので感無量だった。
更に今回は、共に練習をしてきた小林選手が2位に食い込んできたことも喜びに拍車をかけてくれた。
練習を積み重ねていけば、結果は必ずついてくる。
今後もこれに満足することなく、更なる高見を目指したいと思う。
最後になるが、今後のキャスティングスポーツの普及と発展を願うとともに、いつも競技会開催の為に苦労を厭わず努力してくれている加登氏、櫻井氏、そしてJSCのメンバーに感謝の意を表したいと思う。
 
 
真辺芳廣

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